ダフィ・クーネ:ポスターを構築する ―形をつくる、版をつくる、表現をつくる―

個人的に今注目しているデザイナーの一人であるスイスを拠点に活動するグラフィックデザイナーであり活版印刷職人でもあるダフィ・クーネの個展がgggで開催しています。

今展示で面白いのがタイトルになっている「ポスターを構築する(Constructing Posters)」というポスターの作品だけでなく、その構築という制作工程にも焦点が当てられ、実際に使われた版やメイキングムービーも合わせて紹介されています。

昔ながらの活版印刷ながら現在のファブリケーションツールなども駆使しながら、ネットで購入したジャンク品なども素材として活用するなどアイデアと表現が豊富で作品を見るとその裏側を想像する楽しさがあります。

1F会場ではこれまで手掛けてきた多くのポスターが展示されています。
木のフレームが作品の素材感を表現していて面白い。

スキャンしてデータに起こしたものでなく、実際に木っ端をそのまま版として使用しています。こういう事ができるのも活版印刷ならでは。

1Fに展示されているポスターでそれぞれ異なる表現がとてもユニークなので是非近くでご覧ください。
作品の横についているタブレットはその作品のメイキングが見れるのでこちらも面白いです。

アイデアが面白い36名の名前全てを掲載したポスター。
離れてみるとしっかり立体感もあります。

黒ベースにそれぞれの色がしっかり映えています。8度刷り。

B1Fの展示エリアでは各ポスターの版なども合わせて展示してあります。

各作品の個性は素材から表れているのがよくわかります。

今展示用に作られたポスターのメイキングで版別に印刷されています。
校正チェックも展示されていますがミスもあったりして、詳しい内容は映像の方をご覧ください(笑
自分も印刷後にミスが発覚したことありますが、愕然とします…。
それが活版だと手間が……。

今回の展示ポスターで使われた版の素材とレイアウト。
複数の異なる素材で構成されているのがこの人の作品ならではで、実際は素材の高さをしっかり合わせるのも大変な作業です。

デザイン業界に限らずアナログからデジタル、そして昨今ではAIへと技術が変わっていく中で、今後他所とどう差別化するか悩んでいる人もいるかと思いますが、そういった人にも手作業の良さとそれ故の発想が生まれることを知れるとてもいい展示かと思います。

自分も2年ほど前に作業場を東京から伊豆に移しましたが、それもアナログな表現をもっと取り入れたいという思いから広く自然の多い場所にしたというのもあります。
今後の自分の作品づくりにもとてもいい影響を与えてくれた素晴らしい展示でした!

ちなみに会場2Fで上映されているメイキングの映像はYoutubeでも配信されているので興味ある人はそちらも是非!

babyinktwice – YouTube