
- 会期: 2026年7月11日(土)〜9月23日(水・祝) 10:00-17:30 休: 月
- 会場: 埼玉県立近代美術館
- 料金: 一般1400円、大学生・高校生1120円、中学生以下無料
- 撮影: 不可(一部可)
- Web: 密やかな美 小村雪岱のすべて – 埼玉県立近代美術館
小説家 泉鏡花や邦枝完二などの挿絵や舞台美術、資生堂の意匠部に在籍し、現在も使われる資生堂の特徴的な書体のベースを作るなど幅広い活動をしたことで知られる小村雪岱の展示。
これまでも雪岱の展示は見てきましたが、主に肉筆画や版画がメインの展示が主でしたが、今展示はその幅広い仕事に焦点が当てられ、特に興味深かったのは実際に販売された書籍が多く展示されている点です。
本の表表紙や裏表紙だけでなく外箱などもセットで展示されているので、当時の本の装丁や造本のこだわりが感じられます。
ただ会場内は基本撮影NGなので書籍関連は全て撮影できないのが残念です。

過去何度も埼玉県立近代美術館には来たことがありますが、いつも出口だったところが入口になってました。

泉鏡花の句に載せたこおろぎ図。
尾形光琳の冬木小袖に着想を得ているとか。

右下の印は「雪岱」とあります。

舞台装置も余白の使い方が大胆。

「お傅(でん)」というのは実在した「高橋お伝」で、その人をモデルにした小説の挿絵。
自分はこのタイトルを聞いた時、落語の「まんじゅうこわい」的なものかと素で思っていました。
一番右の絵は川から足が出ている絵ですが、かの有名なシーンの元ネタになってます。

右や上に大きく余白を取ることで広がりを感じさせる構図。
モチーフ自身でなくストーリーをイメージさせるような見せ方が雪岱の特徴でうまさ。

こちらも余白を大きく取って小鳥の不意な訪れと柳の揺れが柔らかい風をイメージさせます。襦袢と帯の色でアクセントが目を引くと同時に画面に退屈さを与えない。

うちわ用の絵。うちわの形状をうまく活かしています。

花の影は肉筆画と木版画の2種類あり、こちらは木版画。
会場では2つが並べて展示されていますが撮影はこちらのみOKでした。
前述の通り基本的に撮影NGで掲載しているのは全て撮影可能だった肉筆画や版画の一部作品のみなので、書籍や新聞など当時を感じられる作品が多数あるので気になった人は是非会場で見てみて下さい。
また丁度行った時に学芸員の方によるスライドレクチャーがあり、参加してきましたが泉鏡花愛や資生堂からのオファーなど人間関係など含めて興味深い話を聞くことができました。
他にも講演会なども多く開催されているようなのでタイミングが合えばこちらも是非聞いてみて下さい。
